Tsuna・Good!

日テレ水卜アナが理想の上司である訳

2021.03.25
ワークスタイル

『ZIP!』の総合司会

日本テレビの水卜麻美アナウンサー(33)が、また「理想の上司」の女性部門で第1位に輝きました。このランキングは、明治安田生命が“今春入社を控えた新社会人”を対象に“理想の上司として思い浮かぶ有名人”を聞いて発表しているもので、いまでは年頭の恒例行事となってきた感があります。冒頭で「また」といったのは、このランキングにおいて水卜アナが5連覇しているからです。
そんな水卜アナは、この4月の改編で3年半務めた『スッキリ』を卒業し、『ZIP!』の総合司会に就任することになりました。実は、日テレの朝の情報番組で女性がメイン司会になるのは史上初です。日テレの朝番組といえば、あの『ズームイン!! 朝!』。初代の徳光和夫さんはじめ、福留功男さん、福澤朗さん、羽鳥慎一さんと日テレを代表するアナウンサーが代々司会を務めてきました。局の看板番組の系譜を継ぐ「枠」に抜擢されたわけです。

ぶっちゃけキャラの好感度

水卜アナがそのキャラを確立したのは、入社1年目で抜擢された『ヒルナンデス!』での食リポでした。その食べっぷりが話題になり、食いしん坊キャラが定着しました。また日テレの入社面接で、変顔を披露して内定を勝ち取ったというエピソードも都市伝説的に出回るなど、ミスコンあがりの美人系女子アナたちとは一線を画す「親しみやすさ」が、彼女の好感度をぐんぐん上げていきました。
しかし水卜アナが支持される本質は、「変顔」や「食いしん坊」といったキャラによるものだけではないと思うのです。アナウンサーという職業柄、実はもっと自己管理すべきだと思っているのに、“食欲に負けてしまっている”という本音を、水卜アナはものすごく正直にさらけ出します。
これが水卜アナの“ぶっちゃけ力”の半端ないところです。テレビに出ている女子アナに、そんな誰にでもあるような悩ましさまでオープンにされて、共感しないという人はそういないでしょう。

これが「自己開示」です。自己開示とは、自分に関するプライベートな情報を相手に話すこと。特に少し恥ずかしいと感じるくらいのことを正直に打ち明けると、「そんなことまで話してくれるなんて、自分に心を開いてくれているんだ」と相手は認識し、心の距離が縮まりやすくなります。

自己開示の返報性

自己開示は、信頼関係を築くのに欠かせないコミュニケーションといわれています。特に上司と部下といった上下関係の場合、上司側の自己開示は重要となります。水卜アナが理想の上司に選ばれる理由は、(意図して行っているのではないにせよ)このものすごい自己開示力のおかげです。
そして相手から自己開示されると「こんなにさらけ出してくれたんだから、私も自分の話をしなきゃ」と感じ、自己開示をお返ししたくなる心理が働きます。これを「自己開示の返報性」といいます。
つまり上司が自己開示をすることは、部下の自己開示を促すことになるのです。例えば日々の職場でのコミュニケーションで「いや~困ったな~」とか「わあ、嬉しい!」とか、上司が自分の気持ちを素直に話すと、部下も「困った」「助けて」が言いやすくなります。こうした職場は、まさに「心理的安全性」が担保されている環境に他なりません。

自己提示にご用心

しかしながら、実は、リーダーがきちんと自己開示できているかというと、やや疑問符が付きます。たとえば、ある人が「東大に入ったものの、周りが優秀すぎて友達ができなかった」というエピソードを披露したとしましょう。「大学になじめなかった」という失敗談を打ち明けているようで、実はこれ、「東京大学出身である」というアピールにも聞こえますよね。
本人は自己開示しているつもりでも、自分を良く見せることを目的とした “自分語り”は、自己開示ではなく、「自己提示」と呼ばれる行為です。上位管理者であるという立場から、部下から尊敬を勝ち取りたいといった心理が働くのも理解はできますが、そればっかりだと「自慢している」「虚勢を張っている」キャラが定着してしまいます。

“ありのままに正直に”話すポイントは、「趣味」であるとか「笑える失敗談」とか「自信のないところ」とか。そういったちょっとした自己開示から始めていけばよいとされています。しかし職場という名の戦場で、日々「鎧」を着て戦ってきたビジネスパーソンには、そのちょっとしたことが、意外と難しいものかもしれません。そんな時には、水卜アナのあの笑顔を思い出してみましょう。

プロフィール

ツナグ働き方研究所 所長 平賀充記(ひらがあつのり)

ツナグ働き方研究所・所長。ツナグ・ソリューションズエグゼクティブ・フェロー。リクルートフロムエー(現リクルートジョブズ)にて、FromA、タウンワーク、はたらいくなど、リクルートの主要求人メディア編集長を歴任。2014年に、同社を退職し、株式会社ツナグ・ソリューションズの取締役に就任。翌2015年には、日本で唯一のアルバイト労働市場に特化した調査研究機関である、ツナグ働き方研究所を設立。30年以上の仕事人生のほとんどをアルバイト・パート採用関連の仕事に捧げており、「多様な働き方の専門家」として活動している。著書に『非正規って言うな!』『アルバイトが辞めない職場の作り方』(ともに、クロスメディア・マーケティング)『なぜ最近の若者は突然辞めるのか』(アスコム)がある。

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