Tsuna・Good!

ウイズコロナの22年新卒採用は?

2020.12.25
ワークスタイル

コロナ禍が採用市場を直撃

コロナ禍に翻弄された2020年も、残すところあと一週間を切りました。来たる2021年、ニッポンの採用市場はどうなるのでしょうか。

特に気になるのが22卒の新卒採用です。旅行大手のJTBが、22年度入社の新卒採用見合わせを発表したことからも象徴されるように、新型コロナウイルス流行による業績悪化で採用を手控える企業も少なくないでしょう。

思い起こせば、2021年卒の採用活動はコロナ禍で混迷を極めました。年が明けたばかりの頃は空前の人手不足と言われ、就活の超早期化が叫ばれていたのが、2月に入り新型コロナウイルス問題が急浮上。ウイルス感染が猛威を振るいはじめ、会社説明会は軒並み中止となり、新卒採用活動の真っ只中の4月には緊急事態宣言が発令されるに至りました。
企業も就活生も、これまで経験をしたことのない新たな形での採用活動を余儀なくされたわけです。採用市場も急激に収縮、売り手市場は一転し、買い手市場の様相となりました。

2021年卒の倍求人倍率は1.53倍

リクルートワークス研究所が実施した大卒求人倍率調査によると、2021年3月卒業予定の大学生・大学院生対象の大卒求人倍率は1.53倍で、前年の1.83倍より0.3ポイント低下しました。リーマンショックの影響を被った2010年卒の0.52ポイント低下には及ばないものの、0.3ポイント以上低下したのは10年ぶりで、やはりコロナ禍の影響は否めませんでした。
一方で、求人倍率は1.53倍を維持していると捉えることもできます。実はバブル崩壊後の経済停滞期やリーマンショック時のような低水準までには至っていないのです。全国の民間企業の求人総数は、前年の80.5万人から68.3万人へと12.2万人減少低下したものの、60万人台を維持しています。学生の民間企業就職希望者数44.7万人に対して求人総数が23.6万人と、超過需要であることは変わりません。

8割が継続実施

22年卒の採用計画を企業の担当者に尋ねたマイナビの調査によると、これまで継続的に新卒採用を行ってきた企業のうち、78.3%の企業が採用を行うと回答しました。約8割が新卒採用継続という数字は、ほぼ例年並みです。
リクルートキャリア・就職みらい研究所の調査における採用予定数についての質問に対しては、2021年卒の採用予定数との伸び率は、「-10%未満~+10% 未満」が約6割で、「-10%以下(-10~-30%未満と-30%以下の合計)」は21.1%、「+10%以上(+10~ +30%未満と+30%以上の合計)」は15.7%でした。マイナスの方がやや上回っているものの、そこまで2021年の採用予定数から減っているわけでもありません。

こうした人材大手の調査からも、新卒採用市場はコロナ禍影響をモロに被っているわけではなさそうです。言いかえると、就活生にとって22年新卒の採用市場を悲観的と捉える必要はなさそうですし、逆に企業にとって22年新卒の採用が簡単にいくわけでもなさそうです。

カギを握るオンライン対応

2022年卒の採用活動において、よりクローズアップされるのがオンライン採用でしょう。2021年卒採用で急激に広まり、もはや主要な採用手法の一つとなったオンライン採用が、2022年卒採用で、より重要度を増すのは間違いありません。

面接会場に入ってくる時のお辞儀の角度とか、そういうとこで見極めているんだよねーー。こんなWEB面接に馴染めない人事担当の声もよく聞きます。確かにモニター画面越しでは、態度や所作といった非言語情報を得ることが難しく、選考に関する不全感が増すのは否めなません。「学生の本音」、「雰囲気」、「熱意」などを推し量りづらいという調査報告もあります。

しかし、WEB面接は「移動時間・費用がかからない」「会場の設定がいらない」「日程調整がしやすい」といったなど、コスト削減・業務効率化につながるメリットもあります。
なによりも、オンライン化することで、明らかに企業と学生の出会いの機会は増えました。つまり自社にフィットする学生に会える可能性は、確実に増えているのです。
ぜひ、モニター越しの選考や口説きに関するコツを習得してほしいものです。すでにWEB面接をうまく活用できている企業も少なくありませんし、そのナレッジも普及してくるはずですから、アンテナを張ってみてください。

22新卒採用市場は、企業にとって、そんなに楽ではないはずです。ここでもニューノーマルの確立が試されているんだと思います。いっそ、この機に進化しちゃいましょう。

プロフィール

ツナグ働き方研究所 所長 平賀充記(ひらがあつのり)

ツナグ働き方研究所・所長。ツナグ・ソリューションズエグゼクティブ・フェロー。リクルートフロムエー(現リクルートジョブズ)にて、FromA、タウンワーク、はたらいくなど、リクルートの主要求人メディア編集長を歴任。2014年に、同社を退職し、株式会社ツナグ・ソリューションズの取締役に就任。翌2015年には、日本で唯一のアルバイト労働市場に特化した調査研究機関である、ツナグ働き方研究所を設立。30年以上の仕事人生のほとんどをアルバイト・パート採用関連の仕事に捧げており、「多様な働き方の専門家」として活動している。著書に『非正規って言うな!』『アルバイトが辞めない職場の作り方』(ともに、クロスメディア・マーケティング)『なぜ最近の若者は突然辞めるのか』(アスコム)がある。

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