Tsuna・Good!

昭和の働き方がトンデモに思えてきた今日この頃

2019.07.24
ワークスタイル

24時間戦えますか?

4月の法改正もあり働き方改革が急ピッチで進む令和元年。
その30年前の平成元年、流行語大賞に選ばれたのが「24時間戦えますか?」でした。今となっては、耳を疑うくらいの強烈なフレーズですが、当時は、まるで違和感なく受け入れられていたように思います。
とにかく長時間働くことが美徳であり正義である時代でした。

それにしても(自分も含めてですが)、24時間、ナニと戦っていたんでしょうか(苦笑)。

その背景には終身雇用、年功序列という雇用システムがありました。
就職したら一生その会社で働くのが前提。「忖度」はすべて上司に向いていて、ライバルは社内、家より会社に帰属意識を持つ。強固な「会社内タテ社会」を生き抜く必要があったのです。
そんな中で派閥争い、権力闘争、出世レース…。確かに社内で戦いに明け暮れていたのです。
「白い巨塔」「集団左遷」「半沢直樹」。こうした社会派テレビドラマに描かれる物語は、大げさでなく、リアルな会社の中でもそこらじゅうで起きていました。

そして、社内で出世レ-スを勝ち抜くためには必須だったのが「仕事量」でした。
上長からの評価は、会社のために(=自分のために)どれだけたくさん汗を流せるか。そういう馬力比べ時代の象徴が、「24時間戦えますか?」だったのです。

リテラシーじゃなくテレパシー

こうして改めて、そのモーレツな働き方を客観視してみたらなかなかシュールな世界だと思いませんか(苦笑)。
このように違和感を覚えるようなトンデモな働き方は、今から思うといっぱいあります。

例えば、“仕事は教えてすらもらえませんでした”問題。「いちいち聞くなよ、とにかくやってみろ。シゴトってのは見て盗むもんだ」。
しかし、とりあえず自分でやったらやったで、ちゃんとできてないと怒られる。
また、ありがちなのが「言われたことしかやらない」という文句。当時は、言われたことをやっても怒られていたのです。「なんでそんなことも気づかないの?なんでそこに気が回らないの?」という主旨だったのでしょうが…。
今風のデジタルリテラシーは必要なかったけどある意味でテレパシー的なものを要求されていた時代でした。

カフェは寝るとこ

いま、カフェはノマドワーカーの巣窟となりシゴトをする場所です。
しかし、その昔、喫茶店と呼ばれた時代には、サラリーマンの昼寝場所でした。スマホなんかないから、一回会社を出れば捕まらないわけです。
なので夕方までうまくサボりつつ、夕方から会社で残業して頑張ってるアピール。24時間ずっとは戦えないから、うまく手を抜かないとやってられないのです。
でも夕方5時から頑張れば、上司に気にいられるし、残業代も増える。喫茶店での昼寝は、長時間労働時代の必然的ワークスタイルだったのしょう。

トンデモだった自分たちの働き方に向き合う

拙著「なぜ最近の若者は突然辞めるのか」で、いまの若者は、オープンに誰とでもつながる「SNSムラ社会」の住人であると指摘しました。会社がすべてだった時代に、クローズドな「会社内タテ社会」を生きてきた我々オトナ世代とは、大きく価値観や行動原理が違います。

いまの若者と向き合う時って、いかにも昭和的な働き方にノスタルジーを感じつつ、つい「オレたちの若かった頃は…」と、なりがちじゃないですか。
しかし、冷静に振り返ってみたら、「オレたちの若かった頃」も相当にヤバいわけです。自分たちが当たり前だと思っていた働き方って、実は異常だったと認めましょう。
過去に向き合うことが、今どきの若者と近づけるヒントになるかもしれませんよ。

プロフィール

平賀充記(ひらが・あつのり)

ツナグ働き方研究所・所長。ツナグ・ソリューションズエグゼクティブ・フェロー。リクルートフロムエー(現リクルートジョブズ)にて、FromA、タウンワーク、はたらいくなど、リクルートの主要求人メディア編集長を歴任。2014年に、同社を退職し、株式会社ツナグ・ソリューションズの取締役に就任。翌2015年には、日本で唯一のアルバイト労働市場に特化した調査研究機関である、ツナグ働き方研究所を設立。30年以上の仕事人生のほとんどをアルバイト・パート採用関連の仕事に捧げており、「多様な働き方の専門家」として活動している。著書に『非正規って言うな!』『アルバイトが辞めない職場の作り方』(ともに、クロスメディア・マーケティング)がある。

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